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2007年04月23日

●'07Albirex Conference<サッカー講座について>

おはようございます。
今回のカンファレンスにて、開催を約束して頂きました<サッカー講座>の
第一回が先日のガンバ戦前に行なわれました。

出席された方より、大変しっかりとしたレポートを送って頂きました。
今回は参加できなかった。という方々の為に、このブログへの転載を
お願いしましたところ、快くご了承頂けましたので、下記に載せておきます。

また、同じく出席された方の個人ブログで感想を述べられていた方も
いらっしゃいます。
リンクをお願い致しましたところ、ご了承いただけました三人の方のページを
ご紹介させて頂きます。
ハルミルさん
ビアンコ&ロッソさん
黒猫的親父記さん


カンファレンスにおいて、サポーター側からの提案をクラブ側が受けた形で
開催された、このサッカー講座。ですが、第二回の開催も決定しております。

第2回

お時間の都合のつく方は、ぜひ参加して、より一層Albirexのサッカーを楽しみましょう!
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第1回サッカー講座<ルール解説>
                講師 J2副審 八木あかね 氏

・ オフサイドとは「待ち伏せ禁止」のルール。
・ 「ハーフウェイラインより先の相手陣地内において」「ボールより前方で」「相手ゴールから2人目のプレーヤーより前で」「ボールをもらおうとしてはいけない」。
・ 「相手ゴールから2人目のプレーヤー」(多くの場合は1人目がGK、2人目がDFだが、それに限らない)を基準とし、ゴールラインに平行な線を「オフサイドライン」と言う。そのラインより前方に選手がいるとき、その位置を「オフサイドポジション」と言うが、いつ、そこに居てはいけないかというと、「味方の選手がボールを蹴ったか触れた瞬間」を基準時とする。
・ 「オフサイドポジション」に居ても、「ボールより前方」にいなければオフサイドにはならないので、ボールより後方の味方選手へのマイナスのパスやクロスはオフサイドにならない。
・ 「オフサイドポジション」に居るときにしてはいけない禁止事項は、「ボールに触れてはいけない」だけでなく、「相手の邪魔をしてはいけない」「たまたまそこに居ることによって得してはいけない」ということがある。
・ 「ボールに触れてはいけない」ので、オフサイドポジションにいる選手のユニフォームにボールがかすってもオフサイドとなる。
・ 「相手の邪魔をしてはいけない」とは、つまり、相手GKと競るのはもちろん、シュートコースに居てGKの視界を遮ること(ブラインド)や、スルーをしてもいけない。GKがボールを捕りに行くのを妨げることもオフサイドとなる。また、DFがボールに行くのは自然な行為なので、そのDFと接触するのもオフサイドとなる。但し、その選手がボールに関与することによってオフサイドになるので、それが明らかになるまで、審判は判断するのを待つ。ボールに追いつかずにゴールラインを割ることもあるからである。
・ 「たまたまそこにいることによって得をしてはいけない」というのは、例えば、GKが弾いたボールやポストに当たって跳ね返ったボールをシュートしてはいけない、ということである。
・ 実際にボールに触れたりするまで判断を待つのは、FIFAのルール改正による。FIFAは、約1年半前に、ゴール前の攻防を増やす目的で、オフサイドを減らすために「ボールに関与したとき」というルール改正をした。
・ 判定をする上で重要なのは、味方選手がボールを蹴った瞬間の選手の立ち位置の判断なので、次にボールをもらうであろう人の動きに注意する必要がある。微妙なすれ違いを判断するので、オフサイドに見えるケースは非常に多く、オフサイドの旗を揚げたが実際にはオフサイドではなかったケースはあったが、オフサイドなのに旗を揚げなかったことはない。家に帰ると、ビデオを繰り返し見て勉強している。ビデオを見るときは、必ず、パスが出る瞬間で止めて見るようにしている。皆さんも同じことをやると、オフサイドになる、ならない、の感覚がだんだんわかってくるようになる。スペインリーグでは24台のカメラで撮って、オフサイドのシーンを流してくれるので、テレビを見ている人は、正しい感覚を身につけて、スタジアムで試合を見ることができる。しかし、日本では、残念ながら、多くても10台、普通は6~8台のカメラしかない。
・ 微妙なケースで判定をしたときには、すぐにハーフウェイラインよりに逃げるようにしている。これは、その場にいて選手が異議を述べてカードをもらうことを防ぐ、選手を守るためである。
・ 一般に「戻りオフサイド」と呼ばれているのは、蹴った瞬間にはオフサイドポジションにいた選手が、オフサイドラインより後ろに戻ってきてボールを受けることで、蹴った瞬間で判断するのだから、戻っても、これは当然オフサイドとなる。
・ キックオフ、ゴールキック、スローイン、コーナーキックからのオフサイドはない。PKも、他の選手はペナルティアーク外にいるので、オフサイドは当然ない。
・ 「タッチライン」の語源。フットボールの誕生当時、イングランドの寄宿舎の学生の行動規範であったころは、ラインを出たボールにどちらが先に触るか、タッチするかで、どちらのボールとなるかを決めていたことから、「タッチライン」と呼ばれるようになった。
・ 質問「システムやオフザボールの動きがわかるようになるには、どうしたら良いか。」
回答「一番良いのは、2層目の最上段からピッチを見渡すこと。システムは、試合中はポジションが流動的になるのでわかりにくいが、キックオフのときは陣形のとおりに並んでいるので、システムを確認できる。」
・ 副審は、以前は「ラインズマン」と言ったが、女性が増えたので「アシスタントレフェリー」となり、主審を援助するというように、権限が少し拡大された。
・ 質問「各試合の審判はどうやって決まるのか。」
回答「主審はJ1,J2,サテライト、JFLの4つのカテゴリー、副審はJ1,J2,JFLの3つのカテゴリーに分かれている。試合のレフェリングには点数がつけられ、1年を通しての成績によって、カテゴリーが上がるかどうかの判断がされる。J1の主審を務めることができるのは、14~16人程度であり、日本サッカー協会が、同じチームにばかり続けてあたることがないよう、順番に回している。その人たちが日本の審判のトップであることは間違いない。ゲームは水ものなので、うまくいくこともあれば、うまくいかないこともあり、うまくいっても理解されないこともある。」
・ 質問「ヘディングで競ったときのファウルの基準は。」
・ 回答「どちらがそのボールに対してプレーする権利があるかを基準とし、そうでない方がファウルとなる。どの地点に落ちるボールか、どちらに優先権があるかで判断する。例えば、相手選手がそのタイミングでジャンプしていればヘディングできたはずなのに、下にもぐったら、もぐった方の選手のファウルとなる。逆に、下になった選手が落下点でトラップできたはずのところにジャンプして覆い被さったら、覆い被さった方の選手のファウルとなる。相手選手の後ろでいくらジャンプしても、前に回り込まなければとれないボールのときには、後ろで跳んだ選手のファウルとなるのである。つまり、どの地点のボールにどちらがアクションしたかによって判断をする。なお、某選手は、跳ばずに相手選手の下にもぐり込むことが多いが、お尻を出して相手選手の下にもぐり込む場合は、ボールにからむつもりがないと見て、ファウルになる。ボールに行く場合は、お尻を出さずにそのまま下がっていくのが普通である。」
・ 質問「直接FKと間接FKのときの審判のジェスチャーの違いは。」
回答「腕を真上に上げたときは間接FKで、腕を上げていないときは直接FKである。」
・ 質問「間接FKでゴールを狙っても良いのかどうか。」
・ 回答「狙うのは自由なので狙っても良いが、他の選手が触らなければ、ゴールに入っても相手のゴールキックになる。しかし、GKが慌てて触ってしまったり、カベの選手に当たって入った場合はゴールになるので、狙うのは自由である。」
・ 質問「身体がぶつかりあうときのファウルの基準は。」
回答「肩と肩がぶつかっても、ボールがあるところで、ボールを挟んでのぶつけ合い、ボールに行くための行為ならOKであり、ファウルにはならない。ボールに対してプレーする気があったかどうか、相手の身体だけを目的にしていないかどうかで判断する。チャンピオンズリーグなどを見ると、この技術が素晴らしく、激しく当たっているが、日本の選手は、身体をぶつけてボールをとる、ぶつけられてもボールを守る、という技術はまだレベルが低い。」
・ (日本サッカー協会作製のビデオを流して)日本サッカー協会は、技術委員会と審判委員会が相談して、「選手にこのようなプレーをしてほしい。そうでなければ世界で闘えない。」ということで、このようなビデオを作っている。これは、もちろん観客へのサービスでもあるが、日本のサッカーを強くすること、日本が世界のトップ10に入ることを目的としている。
・ レフェリーの語源について。「Referee」という言葉は、「任せる、委ねる」という意味の「refer」から来ており、元々は選手が「自分たちだけで試合をしていても、主観的に見てしまって、反則の判断ができない。公平な目で見てくれる人が必要だ。あの人ならば公平に反則の判断ができるだろうから、ぜひ試合を見て判断してほしい。」とお願いして審判を立てたのが始まりであり、リスペクトすべき存在であった。現代では、選手が直接私たちに審判を任せるのではないが、レフェリーは、選手から「この人にだったら任せていいな」とリファーされるために、いろいろな良い準備をしている。観客の皆さんは我々にリファーするわけではないが、そもそもスポーツというのは、混乱を避けるために審判を生み出したのであり、審判がいなければ試合をすることはできない。
・ 観客の皆さんが1つのブーイングを我慢することによって、5分間、ゲームがスムーズに流れることになる。選手も文句を言っていない正しい判定のときに、1つ1つブーイングをすると、雰囲気はおかしくなっていく。ブーイングが良いとか悪いとかではないのだが、自分たちの選手に対する情が厚いために、選手が倒されると「わあっ」という声が起きるが、相手選手のプレーであっても素晴らしいプレーは認めてあげると、全体の雰囲気が変わっていく。可能であれば、ルールの知識を増やしていって、アルビレックスの選手が倒されたとしても、「ああいうタックルは有りなんだな」と判断できると、皆が参加して作り出すゲームの雰囲気が良くなっていくのかな、と思う。今の選手はスライディングの技術が非常に向上しており、ボールにきちんと行って、その上で身体が流れても、それはファウルではないので、スライディングに対する審判の判断はほとんど正解である。選手にもっとリファーされるために、我々は我々なりの立場で、取り組んでいる。
・ 悪意をもって笛を吹くレフェリーはいない。うまく判断できた試合もあれば、うまくいかなかった試合や、うまくいったのに理解されない試合もある。90分間をトータルして、ゲームをきちんとコントロールしていくよう、審判はいろいろな取り組みをしている。できれば、選手のプレーに対してだけでなく、審判が正しい判定をしたときにも、「うまいな」と思ってもらえるとありがたい。